1987年のダンボール その5
2018.11.18
中学3年になった春のこと
西武百貨店の書店の美術コーナーで見つけた
「和田誠百貨店」
以来、長い間
バイブルとして眺め続けていた作品集。
なんで無くしちゃったんだろうと
思っていたら例の段ボールから見つかった。
この本をきっかけに
「イラストレーターなる職業があるのか
よし!僕は絶対にイラストレーターになるのだ」
と、人生の指針をいただいた本なのである。
毎日毎日、眺めたり模写したり
画材を研究したり
本当に宝物にしていた。
ところが!
受験を控えた中学3年の冬のことである
この本はある日、突然に消えてしまった。
探しても探して見つからず
そして数週間後に、やっと戻って来た時
僕はこの大切で可愛い作品集が
とんでもない悪夢に見舞われていたことに気づいたのである。
その経過を僕なりに想像したのがこれだ。↓
そんな
そんなタイミングって!
ネズミくんは、半分ミイラ化していた
しかし彼の体液の一部は
大切な作品集の小口の部分に
浸透圧によりしっかり吸収され
茶色いシミをその内側にまで
伸ばしていたのである。
それからまた数週間
洗剤で洗い、
重しを乗せて日干しして
姉の香水を振りかけて
なんとか、なんとか蘇ったのでした。
そしてまた長い年月の末に
巡りあえることになりました。