『塩田千春展』最終日
2019.10.27
「塩田千春展」へ。
家族3人で最終日に
やっと行くことができた。
しょっぱな、
赤い糸で染まった広い空間に度胆を抜かれる。
細い糸がからまり合い、有機物のような組織に見えてくる。
巨大な生物の体内に入ってしまったような感覚に包まれ
立ち尽くしたり、ただフラフラと上を見上げて彷徨う。
一本一本の糸は丁寧に結わえられ
編み物のように一つの形を作り出す。
細胞のような作品
やはり泡粒が集まり一つの組織をなしているよう。
黒の糸の部屋
燃えて黒焦げたピアノと椅子。
それは、死と、その後菌類に覆われて、
新たな生命体へと変容していく
永遠の有機物連鎖
イメージを描き止めたドローイング
ベルリンの取り壊される建物にあった窓枠たち
そして、
最後はおびただしい数の古い旅行鞄たちが
まるで渓流のように長く蛇行しながら吊られた作品の
知的で直感的で美しい空間。
僕は、すっかり圧倒された。
想像をはるかに超えた素晴らしい展覧会。
こんな日本人芸術家がいたとは!
最終日に来られてよかった!
最近見た展覧会で一番よかった。
さて、
森美術館を出て同じ階
六本木ヒルズから見た東京の展望も楽しかった。
神宮の森、新宿、新国立競技場が一目で見られ
もう少し右を見れば皇居まで見ることができた。
左下には米軍様の基地が
ドーンと六本木の真ん中に。
さっさと返してほしいものだ。
それと、右上の羽アリに注目してほしい。
ここは52階の窓。
このアリは飛んできたのではなく、
飛ばされてきたのだろう。
先日、ヒアリの定着が東京の港で確認されてしまったようだが
ヒアリの女王も、こうやって飛ばされている可能性が大きい。
ゾッとする光景でもある。
帰りに根津美術館そばの南青山を歩いていると
真夏のような空が見えた。
東の空に巨大な入道雲。
10月末の夏空